愛知県在住の60代のお客様より桃山七宝の黒地訪問着のお誂えのご依頼をいただきました。
白生地は大塚謹製の駒無地をお選びいただきました。
この駒無地は中部地区では最もフォーマルな生地として喪服、黒留袖、色留袖などに使用されます。

小下絵が出来上がってまいりました。
「小下絵」とは原寸大の五分の一程の大きさで、お客さまに完成品をイメージしていただくための物です。
お客様に小下絵をご確認いただき、草稿の制作に進んでまいります。

「草稿」とは着物の原寸大の下絵です。
衽 上前 後身の柄です。

衽 上前 後身の柄です。

肩 外袖の柄です。

地色の黒が染め上がって参りました。
黒染めは色々な種類がありますが
弊社は引染めで黒をお染させて頂いています。

京刺繍を施す部分に下絵の金加工が出来上がって参りました。
この金の部分に隙間なく刺繍を施しますが、刺繍本来の色を表現するため生地に金箔加工する京都の職人の素晴らしいこだわりです。


お袖の一部が縫い上がりました。
お客様にご確認を頂き、ご了承がいただけましたらこのまま刺繍を進めて参ります。

七宝部分もこの様に金の刺繍が入り、華やかさと立体感が増してまいります。

豪華な桃山京刺繍が出来上がってまいりました。
色とりどりの絹糸や金銀糸でひと針ひと針丁寧に重ねていく京繍は見る角度によって輝きを変え、光沢や立体感がございます。
種々ある技法から図柄に適したものを選び、この道の熟練職人が仕上げました。

愛知県名古屋市にお店を構えて創業90年を迎える「知田和」は、お客様のご要望に寄り添い、熟練した職人との架け橋になり〔振袖〕〔留袖〕〔訪問着〕〔七五三〕〔お宮参り〕〔和装小物〕などのお誂え(オーダーメイド)をしております。
また、染め、金加工、刺繍、仕立て直し、お手入れなどの悉皆はお客様のご意向を伺い、お客様と共にお誂えの過程を進んでいく事で思い「描いたとおりの特別な1枚を誂える愉しみ」を大切にしております。
婚礼衣裳、茶道華道に適したお着物のご提案もさせていただいております。
ご質問などがございましたらお気軽にメールやお電話にてお問合せ下さい。